アルチンボルド展

行ってきました国立西洋美術館

アルチンボルドはもともとぜんぜん知らん人だった。「寄せ絵」で有名っぽい。最初に見たときの印象はただただ奇妙。実際に観てもやっぱり奇妙。4人で行ったんだけど、最初に出てくる、来場者の顔を寄せ絵風に野菜の寄せ集めで作ってくれるやつの仕組みの話が一番盛り上がったかも。うん、あれどうやってんだろうね。

こういう展覧会はやっぱりその人の生きた文脈、時代背景が示されてると面白いね。各部屋の冒頭の紹介文は流し読み程度しかできなかったんだけど、キュレーターのそういう意図を感じることができた。アルチンボルド以外の作品もたくさんあったな。彼が仕えた王家の肖像だとか所蔵品だとか、その時代に影響を与えたダヴィンチの素描だとか。messyな印象が多少あって、つかめきれなかったというのが本音。でもそれがほんとのところなのかもしれない。というのも、アルチンボルド自身があれほど多様な植物や動物の精密な絵を書けたのは、ヨーロッパ人が地球全体に進出し始めて、世の中のすべてを集めたいという欲望のままにあらゆるものが王室に集まってきたからなんじゃないかと思ったから。「冬」や「土」にみられるような魚や動物の寄せ集めには、まだ何かに基づいた分類みたいな体系性はみられない。驚異の部屋てきな、博物館のおこりはどのくらいの時代だったっけ?このへんの知識、もいちど整理したいな。

キャプションの表現の意味をよくわかってないことに気づいた。作者のことをさしているのか何なのかよくわからなかったんだけど、attributed to(対応する日本語表現を性格に覚えてない) ともうひとつ、〜による、みたいな表現もあった気がする。

あと個人的に面白かったのは、「静物画」の英語が"still life"だということがわかったこと。from portraits to still lifes みたいな題の説明書きがあった。どういうわけでstill lifeが静物画という意味をもつんだろう?"life"に、ありのままの態、みたいな意味があるのかな?と思ってweblio検索してみたところ、実物,本物;実際,真実。という意味がやはりあるみたい。そしてスティルライフは池澤夏樹の好きな小説のタイトルにもなっている。2単語だけなのにいろんな意味にとれるのすごいな。また読みたいな。